トリスと角瓶とハイボール


ハイボールが、居酒屋や家飲みの食中酒として定着しました。
大阪では、老舗バー「サンボア」の「角瓶ダブル、氷を入れない、レモンピール入り」のハイボールが定番ですが、普通の居酒屋のメニューにも、ハイボールが載るようになりました。店外・店内で「ハイボールあります」とのポスターも目に付きます。
サントリーの他、キリン、ニッカなど他のメーカーも続々とキャンペーンを行ったり、缶入りハイボールを発売しています。
ブーム到来はもう2年前のことで、ハイボールは、2009年の上半期、日経MJヒット商品番付で東の前頭に選ばれています。ちなみに、その時の横綱は、東がインサイトプリウス、西がファストファッションでした。

ハイボールブームの仕掛け人は、サントリーであるというイメージはあったのですが、具体的なことを分かっていなかったので、サントリーのホームページで角瓶・トリスのキャンペーン情報から近年の動きについて調べてみました。
http://www.suntory.co.jp/

まずは角瓶です。1937年に生まれた国産ウイスキーの草分けです。近年では、サントリーは2002年に角瓶オンザロックを勧めた後、2004〜2005年には水・ソーダで割る他、コーラやジンジャエールで割るハーフロックを紹介しています。2006年にはオールド・北杜と共にハイボールの提唱を開始、そして、2007年にリニューアルした後、2008年から角ハイボールの本格的なキャンペーンが始まっています。

トリスは、戦後まもない1946年の発売です。近年は、2003年に「すっきり、飲みやすい」味にリニューアルした「トリスウイスキースクエア」を発売。この時点ではまだハイボールを勧めていません。角ハイボールが定着した2010年夏に、「ハイボールに合う」ウイスキーとして「トリスエクストラ」にリニューアルしています。この時期にサントリーは、原酒不足から角瓶の出荷制限を発表していますが、トリスエクストラでハイボール需要に応える体制を敷いています。

僕は、2009年から定期的に山崎蒸溜所のウイスキーセミナーに行っているのですが、そこでは山崎12年のハイボールを紹介しています。山崎12年をハイボールで飲むのはもったいない気がしたのですが、食中酒としてのウイスキーも楽しんでほしいとのことでした。

お酒の消費量を増やす方法として、飲み方の提案というのは定番です。サントリーでは、消費者に好まれているのは、低アルコール飲料である。日本ではビールの他、発泡酒やチューハイブームもあり、炭酸とアルコールの組み合わせが好まれる。食中酒への展開としてもぴったりである。ということから、ハイボールの展開になったと思います。後から第三者が言うのは簡単ですが、一大プロジェクトだったのだろうと思います。

最後に、家にあったトリスエクストラと角瓶をストレートで飲み比べしてみました。
 

色は、トリスの方が薄く、角瓶の方が濃い色です。
両方ともすっきりとした味です。ウイスキーは殆ど糖分を含んでいませんが、大きく区別してトリスは甘み、角瓶はコクを感じる味わいでした。

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